未成線とは?
未成線とは、未だ開業していない鉄道路線のことである。具体的には、実際に計画されたものの何らかの事情で実現しなかっ路線と、現在計画中で今後実現する可能性がある路線の2種類がある。
なお、未成線は実際に鉄道会社や自治体、運動団体が計画や構想をしたものを指すのであって、鉄道ファンの妄想や単なる噂を未成線とは呼ばない。
未成線を分類
未成線にはいくつか種類がある。これらを明確に区別する用語は存在しないが、ここでは便宜上以下の5種類に分ける。
- 要望線
- 構想線
- 却下線
- 鉄道敷設法予定線
- 審議会答申線
- 免許線
- 工事線
なお国鉄は制度上、要望線、鉄道敷設法予定線、工事線のみが存在する。JRや自治体経営の鉄道は他の私鉄と同じ扱いである。
要望線は自治体や沿線の運動団体が鉄道会社や国に対して建設を要望した路線。構想線は具体的に鉄道会社や自治体が建設方法や運行計画、収支予測を検討した路線。却下線は計画立案後に国から敷設免許を貰えなかった路線。鉄道敷設法予定線は1922年に公布されて1987年に廃止された鉄道敷設法別表に記載された今後建設するべき路線に指定された路線で対象は主に国鉄であったが、そのほとんどが実現していない。審議会答申線は都市交通審議会などの公的な審議会で建設するべきだと答申された路線で、平成以降の新線計画はほとんどがこれである。免許線は鉄道会社に敷設免許(許可)が下りた路線。工事線は実際に建設工事が行われた/ている路線で、未成線の中には億単位の巨額な予算が投じられたにもかかわらず途中で放棄された路線も存在する。
実現しなかった理由
実現しなかった路線の実現しなかった理由としては、免許線や工事線は工事期限超過による免許の失効、審議会答申線は次回の審議会の答申で削除されること、鉄道敷設法予定線は同法の廃止、要望線や構想線は単に断念したことが考えられる。
計画が却下された理由としては以下のものが考えられる。
- 建設の必要性が薄い
- 企業や経過者の信頼性に難がある
- 他の計画と重複する
- 国家や公的施設の活動の妨げとなる
- 鉄道国有化法に抵触する
期限超過により敷設免許が失効した理由には以下のものが考えられる。
- 用地買収の難航/沿線の反対
- 経営者の内紛
- 資金不足
- 工事の失敗や地形的な問題
- 株主の反対や社内での計画見直しによる計画凍結や中止(採算性が疑われる場合/時代や情勢の変化など)
構想や要望を断念した理由には以下のものが考えられる。
- 鉄道会社の不賛同により可能性が絶望的になった場合
- 自治体の資金不足
- 人口減少により必要性が薄れた
- 建設理由だった何らかの施設やイベントの誘致に失敗
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