東海道開発線

 東海道開発線とはかつて日本国有鉄道が構想していた未成線である。現在の神奈川県東部方面線に類似している。

概要

 1970年代に国鉄の新五方面作戦で首都圏の各幹線に沿った通勤新線が計画された。それらは開発線と呼ばれ、その内東海道本線の新線が本路線である。石油危機や国鉄分割民営化により建設の目処が立たなかったため、構想段階のまま自然消滅したと考えられる。
 なお、東北開発線は酷似したルートの埼玉高速鉄道が開業し、高崎開発線は一部が埼京線に受け継がれた他は計画消滅し、常磐開発線は起点変更の上つくばエクスプレスとして実現し、総武開発線は近隣で計画されていた貨物線を旅客化した京葉線が実現、中央開発線は計画から50年以上が経過した現在も計画進行中である。
 本路線に酷似したルートで横浜6号線という計画もあり、これは幾度の計画変更を経て相鉄•東急新横浜線や相鉄いずみ野線に発展している。また東海道線のパイパスを作るという計画は湘南新宿ラインによって、横須賀線と線路を共用しているものの一応は達成された。

路線図

歴史

1966年: 都市交通審議会答申第9号において横浜6号線計画が決定
1972年: 国鉄が新五方面作戦で開発線構想を発表
1976年: 国鉄の宮田一氏が「交通技術」にて首都圏近未来鉄道計画を発表
1976年: 相鉄いずみ野線が部分開業
1978年: 第二次石油危機が発生
1986年: 国鉄分割民営化
1999年: 相鉄いずみ野線が湘南台まで開業
2001年: 湘南新宿ラインが開業
2008年: 東京メトロ副都心線が開業
2019年: 相鉄•JR直通線が開業
2023年: 相鉄•東急新横浜線が開業

ルート案

 新宿駅は現在の新宿駅と代々木駅の中間の地下に設けられ、そこから現在の地下鉄副都心線と同じく明治通り直下を通って目黒に向かう。この頃は既に副都心線計画が存在したため、本計画との関係は不明であるが2層構造になっていた可能性がある。
 目黒駅で分岐後は北上する横浜6号線とは異なり南下して品鶴線に接近し武蔵小杉を経由。その後は北上して港北ニュータウンに至る。
 終着駅についてな情報により大船駅、茅ヶ崎駅、平塚駅と分かれるが、これは本計画が構想段階で消滅しており、さらに検討段階で計画が幾度と変更されたためだと考えられる。

運行計画

 構想段階で消滅したため未定。

途中駅

 途中駅は決まっていなかった。
新宿駅-目黒駅-武蔵小杉駅-港北ニュータウン-大船駅•茅ヶ崎駅•平塚駅
 構想段階で終わったため、終着駅の場所は資料により異なる。

関連サイト

草町義和(2012)『「開発線」に新線構想の源流をたどる』, https://kusamachi.railway-pressnet.com/archives/61, 2033/6/27アクセス
骨まで大洋ファン(2020)「1974(昭和49)年の大新宿駅構想の元となる運輸省調査報告書と上越新幹線新宿駅や国鉄東北・東海道開発線ホームなどなど」, http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-a24d9e.html, 2023/6/27アクセス
一般社団法人 建設コンサルタンツ協会(執筆年不明)「五方面作戦 〜今日の首都圏都市鉄道の基盤を築いた国鉄による空前後の通勤鉄道改善プロジェクト~」, https://www.jcca.or.jp/infra70n/files/PJNO_06.pdf, 2023/6/27アクセス
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